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明朝体の文章でも太字はゴシック体になる理由

· 約3分

明朝体やセリフ体で書かれた文章でも、太字はゴシック体で表示されることが多い。これはデザイン上の意図的な選択であり、可読性・視認性・歴史的慣習の 3 つの理由がある。

可読性の維持

明朝体を単純に太くすると、セリフ(ウロコ)と主ストロークの対比が大きくなりすぎ、文字の内側にあるカウンター(空白部分)が失われやすくなる。特に Web やモニタでの小サイズ表示では顕著で、文字が潰れて判読しにくくなる。

ゴシック体はもともとセリフがないため、ウェイトを上げてもカウンターが保たれ、読みやすさが低下しない。

強調意図の明確性

フォントファミリー自体を変えることで、「ここは強調されている」という意図が視覚的に即座に伝わる。明朝体を単に濃くした場合と比べ、ゴシック体への切り替えは人間の視覚系に対してより明確な「異なる情報」として処理される。

歴史的・文化的背景

日本の活字印刷の時代から、強調には別書体を使うという慣習があった。明朝体を太くすると活字の鋳造上の問題が生じるため、ゴシック体という全く異なる書体を使って強調を表現していた。その慣習がデジタル組版、そして Web にそのまま引き継がれている。

CSS での実装

Web で明朝体をベース書体に使う場合、以下のようなスタイルで太字をゴシック体に切り替える。

body {
font-family: "Noto Serif JP", serif;
}

strong, b, h1, h2, h3, h4, h5, h6 {
font-family: "Noto Sans JP", sans-serif;
font-weight: 700;
}

このアプローチには実装上の利点もある。明朝体の複数ウェイトをすべて読み込む必要がなく、本文の Regular とゴシックの Bold だけを配信すれば済むため、ページの読み込みコストを抑えられる。

まとめ

日本語の太字がゴシック体になる理由は 3 点に集約される。

  1. 可読性: ゴシック体はウェイトを上げてもカウンターが保たれ、読みやすさを維持できる
  2. 視認性: フォントファミリーの変更は、単なる太字よりも強調を明確に伝える
  3. 慣習: 活字印刷時代からの「強調には別書体」という慣習がそのまま引き継がれている

Web でも同様の理由からこの組み合わせが使われており、デザイン上も実装上も合理的な選択である。

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