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AWS サーバーレスでクラウドストレージを作った

· 4 min read
ひかり
Main bloger

はじめに

自分専用のファイル共有システムが欲しいと思い、AWS のサーバーレスサービスだけでファイルストレージサービスを作りました。

この記事では、設計で意識したポイントと、実際のアーキテクチャを紹介します。

何を作ったか

Saya は Web ブラウザからファイルのアップロード・ダウンロード・フォルダ管理ができるクラウドストレージサービスです。

主な機能

  • ファイルのアップロード / ダウンロード
  • フォルダの作成・階層管理
  • 複数ファイル / フォルダの一括 ZIP ダウンロード
  • ユーザー認証(サインアップ・ログイン・パスワードリセット)
  • ユーザープロフィール管理

アーキテクチャ

以下、構成図です。

認証の大部分は Cognito で行い、 ファイル転送は S3 の Presigned URL を Lambda で発行してクライアントと S3 が直接やり取りする仕組みです。

技術スタック

レイヤー技術
バックエンドC# (.NET 8) / AWS Lambda
認証Amazon Cognito + Managed Login v2
APIAPI Gateway (REST) + Cognito Authorizer
ストレージAmazon S3

設計判断とその理由

2. 認証を Cognito で行う

Cognito の OAuth 2.0 エンドポイントと Managed Login を活用し、認証機能を実現しました。

最終的に認証系の Lambda は TokenFunction 1 つだけになりました。

機能的にもセキュリティ的にも減らせるコードは減らすのが吉です。

AWS のサービスがやってくれることを自前で書く必要はありません。

3. Presigned URL によるファイル転送

ファイルのアップロード・ダウンロードで Lambda を経由すると、いくつかの問題が生じます:

  • Lambda のペイロード上限に引っかかる
  • 大きなファイルを Lambda のメモリに載せるとコストがかかる
  • 転送時間が Lambda の実行時間としてカウントされる

Presigned URL なら、Lambda は URL を発行するだけで、実際のファイル転送はブラウザと S3 が直接行います。

Lambda の実行時間は数十ミリ秒で済み、ファイルサイズの制約も S3 の上限までとなります。

アップロードの流れ:
1. ブラウザ → Lambda: 「file.pdf をアップロードしたい!アップロード先の URL を送れ~」
2. Lambda → ブラウザ: 「アップロード先の Presigned URL だよ。ここに PUT してね~」
3. ブラウザ → S3: 「S3 に PUT するよ~」
4. ブラウザ → Lambda: 「アップロード完了したよ~」

4. フォルダの ZIP ダウンロード

S3 にはフォルダごとダウンロードする機能がありません。

複数ファイルの一括ダウンロードは、Lambda 上で ZIP を生成して一時的に S3 に置き、その Presigned URL を返す方式にしました。

一時 ZIP ファイルは S3 のライフサイクルルールで 1 日後に自動削除されるので、ゴミが溜まることはありません。

セキュリティ

対策実装
ブルートフォース防止Cognito 標準のロック機能 (5 回失敗: 15 分ロック)
API 保護Cognito Authorizer による JWT 検証
CORSAllowedOrigin を特定のドメインに限定
一時ファイル管理S3 ライフサイクルで不要なファイルを 1 日で自動削除

コスト

サーバーレス構成なので、利用がなければコストはほぼゼロです。

  • Cognito: ESSENTIALS Tier は MAU 10,000 まで無料
  • Lambda: 月 100 万リクエストまで無料
  • S3: 保存量に応じた従量課金(GB あたり約 $0.025/月)
  • API Gateway: 100 万リクエストあたり $3.50

個人利用なら月額数十円〜数百円程度に収まります。

インフラのコード化

インフラ全体を 1 つの template.yaml (AWS SAM) で定義しています。

Cognito User Pool、API Gateway、Lambda 3 関数、S3 バケット、CloudWatch アラーム、SNS — すべてのリソースを 600 行程度の YAML で定義しています。